イタリア共和国・アルベロベッロに行ったら何をする?おすすめ観光名所・グルメ

建築好きな方、旅行好きな方は、白い漆喰塗りの建物に円錐形のとんがり屋根が乗った”トゥルッリ”をご存知でしょうか。もし知らない方でも、イタリアのバーリ県にあるアルベロベッロという地名は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
アルベロベッロはイタリア語で”美しい木”を意味しており、実はトゥルッリの家並みが美しい並木のように見えることから名づけられたのだとか。一説にはラテン語の”戦いの木”を意味するという説もあります。
ともあれ16世紀から17世紀にかけて造られた伝統的なトゥルッリは、アルベロベッロを象徴する歴史的街並み。
1996年には「アルベロベッロのトゥルッリ」として世界遺産にも登録されました。
そんなユニークな景観が魅力のアルベロベッロで注目の、観光ポイントをご紹介します。

目次

アルベロベッロ観光の要所 ポポロ広場

トゥルッリが建ち並ぶアルベロベッロの観光の中心となるのが、イタリアの情緒を感じる憩いの場、ポポロ広場です。
広場には噴水やベンチがあり、日光浴をしたり散策をしたり、想い想いに過ごす人たちの姿もまた、旅の醍醐味のひとつ。
周辺には市役所、交番、教会、薬局など様々な建物があり、便利なことはもちろん、第2次世界大戦で活躍した戦士たちを偲ぶオベリスクは、街歩きのランドマークにもなっています。
また、ポポロ広場は少し高台にあるため、トゥルッリ全体の景観を眺めるにもおすすめです。

双子の守護神を祀る石造りの教会 サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂

アルベロベッロ旧市街の北の端、ポポロ広場の目の前に、時計が組み込まれた双塔が見事な、サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂があります。
ここには医学・薬学を司る町の守護聖人、双子の聖コズマと聖ダミアーノが祀られており、2人を象徴するかのような2本の塔が印象的。
ネオクラシック様式の石造りの外観は芸術的な美しさがあり、荘厳さも兼ね備えています。
ラテン十字の単身廊内部はシンプルな造りながらも2人の聖人の彫像が飾られ、神聖な雰囲気が漂っています。
平日は1日に3回、祝休日には4回のミサが行われ、教会の中からはアルベロベッロの街並みを覗くこともできるそう。
夜にはライトアップが施され、トゥルッリの街に彩りを加えています。

とんがり屋根がいっぱい!トゥルッロ・ソヴラーノ

サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂の裏には、「君主のトゥルッロ」という意味を持つ、トゥルッロ・ソヴラーノがあります。
その名前の通り、大型で12ものトゥルッリ屋根を持ち、希少な2階建て構造。
最も古い左翼部分は1600年代初頭に建設され、100年ほどの歳月をかけて、現在の形となりました。
長い歴史のなかでは領主の居城となったり、礼拝堂や僧院となったり、薬局として使われていたこともありましたが、現在は博物館として開放されています。
内部には家具や生活用具などが使われていた当時を再現するように展示されており、興味深い覗き穴や、2階からの景色も味わうことができます。敷地内には中庭やお土産ショップもあり、トゥルッリの魅力が満載!
内部を見られるのは貴重なので、ぜひ訪れてみてください。

いつの時代も変わらない逸話はつきもの トゥルッロ・シアメーゼ

2つのトゥルッリが繋がった構造のトゥルッロ・シアメーゼは、日本で言えば2世帯住宅のようなもの。
本来トゥルッリは1つの家に1つの屋根がスタンダードですが、1つの家に屋根が2つ付き、出入口も2つ、異なる道に設けられています。
これには逸話があり、その昔、一人の少女を好きになり仲たがいした兄弟が、同じ家に住むのはいたたまれないという理由で、家の中に壁を作り、互いの部屋を塞いだのだとか・・・。
そして、お互いが相手の顔を見ずに外出出来るよう、それぞれ異なる道に面して玄関が設けらた、というわけ。
本当か否かはさておき、珍しいスタイルのトゥルッリは外から見ても面白いもの。
現在はお土産ショップになっているため、是非記念に訪れてみてください。

アルベロベッロの自由の象徴 カーサダモーレ

アルベロベッロは1797年、住民の暴動によってジャンジローラモ・アックアヴィーヴァの支配から解放され、自由を手に入れました。その象徴として初めて、禁止されていたモルタルを使って建てられたのが、​​​カーサダモーレになります。
“カーサ”は家、”ダモーレ”は暴動にも参加した町長のフランシスコ・ダモーレから名をとって、名付けられました。
ここは、アルベロベッロの人々にとっても深い意味を持ち、1930年にはトゥルッロ・ソヴラーノと共に国の文化財にも指定されました。
現在はツーリストインフォメーションとして使われていますが、写真や絵の展示会場としても、人々に親しまれています。

トゥルッリを一望!サンタルチア教会&サンタ・ルチア展望台

ポポロ広場から歩いて2分のところに、シチリア島・シラクーザの守護聖人であるサンタルチアが奉られたサンタルチア教会があります。
この教会が建てられたのは1823年ですが、その当時はキリスト教徒の信仰の場として使用され、19世紀に入って改修。
サンタルチアはアルベロベッロの守護聖人の一人としてもみなされており、1904年に正式にサンタルチアの遺物が分け与えられました。
バロック式の教会はシンプルで装飾はほとんどなく、大きな窓だけが特徴的。この窓からはアルベロベッロのトゥルッリ群を見渡すこともできます。
また、教会の脇にある広場からの景色も必見!壮大なトゥルッリのパノラマが広がる、見晴らしの良い展望台となっています。

歴史を知れば一見の価値あり 旧伯爵邸

旧伯爵邸はその名の通り、コンヴェルサーノの伯爵アクアヴィーヴァ一族が住居としていた建物。
一族はここを12人の伯爵に受け継ぎながら、約3世紀に渡って街を統治したのだそう。
当時、王の許可なく集落を作ることを禁止されていた中、彼らが「税金を逃れるために壊しやすいトゥルッリを建てさせた」というお話は有名ですね。
その横暴ぶりから1797年には住民がフェルナンド4世の力を借り、アルベロベッロが誕生。ナポリ王国の直轄領地となり、ナポリの伯爵一族の住居と相成りました。
ここには現在も末裔が暮らしていますが、1階はレストランとなっていて、オレンジ色のライトアップもお洒落。夕方通りがかるだけでも、雰囲気の良さが伝わってきます。

アルベロベッロならでは!トゥルッリ屋根の教会 サンタントニオ教会

1926年に建てられたとされるサンタントニオ教会は、トゥルッリ屋根で出来た唯一の教会。
世界遺産になっているモンテ地区はいくつかの坂で構成されていますが、その頂点に位置しています。
2つのとんがり屋根を持つ部屋と、巨大な鐘楼で構成された建物は真っ白な壁に丸みを帯びた、プーリア・ロマネスク様式。
内部に入ってみると、トゥルッリの先端まで見上げることができ、ギリシア十字式の構造もよくわかります。
内部中央の祭壇画にはキリストを中心に聖人が描かれ、右下にはアルベロベッロの守護聖人、聖コズマと聖ダミアーノも。
左側には教会名に由来する聖アントニオの像、右側にはマリア像が配されています。
派手な装飾はありませんが、今の市民の信仰の場として、役割を果たしています。

トゥルッリの本質を垣間見る アイア・ピッコラ地区

アルベロベッロの観光はお土産店やレストランの並ぶリオーネ・モンティ地区を回るのが一般的ですが、生きたトゥルッリを体感するには、東側にあるアイア・ピッコラ地区がおすすめ。
このエリアには約400のトゥルッリが8本の通りに建てられており、現在も暮らしている人がいます。
モンティ地区とは対照的に店舗はなく、まるでタイムスリップしたかのように静寂に包み込まれます。
歩きやすい地域ではありますが居住エリアのため、撮影や見学の際は配慮をお忘れなく。

バリエーション豊富で嬉しい 前菜盛合せ

アルベロベッロのプーリア州では、「クチーナ・ポーヴェラ」と表現される、食材を余すことなく使用した料理が伝統的。
その土地の食材をうまく工夫して、フリットやグリル、マリネやアヒージョ、トマト煮込みなど、様々な料理が前菜として提供されます。
また、オリーブの生産が国内トップで、オリーブが美味しいことでも有名。素材を活かした味わいが定番です。
バターのように濃厚な、ブッラータというチーズもおすすめ。消費期限が約48時間ととても短いため、日本ではあまりお目にかかれない逸品です。

プーリア州の名物パスタ オレキエッテ

オレキエッテは貝殻状とも、耳たぶの形とも称されるプーリアの名物パスタ。
地元ではショートパスタがよく食べられ、南イタリア特産のチェリートマトやアンチョビ、ハーブなどを合わせたパスタ料理が欠かせません。
アルデンテに茹で上げたもちもちのオレキエッテはオリーブオイルとの相性もバッチリ!
小さめのパスタのため、あっさりめの味付けで、さらりといただくのがおすすめです。

サクサクヘルシー!やめられない止まらない タラッリ

タラッリはプーリアの代表的なパンで、クラッカーのようなサクサク感が人気!
小さいものはタラッリーニと言われ、おやつやおつまみとして日常的に食べられています。
小麦粉、オイル、塩で生地を固めに成型したら、発酵させずに茹で、休ませてから焼き上げます。
プレーンタイプの他、タマネギ、トウガラシ、フェンネルシード、はちみつ等が入ったタイプもあり、アイシングに包まれたものは復活祭での定番!
後を引く美味しさで日持ちもするため、お土産にも最適です。

イタリア共和国・アルベロベッロの観光スポットを楽しもう

アルベロベッロにはおよそ1,500軒のトゥルッリが建てられていますが、そのうちのいくつかはホテルとして改装されており、実際に宿泊することもできます。
また、玄関も廊下も無いトゥルッリの店舗はお土産探しにもピッタリで、トゥルッリの置物や壁飾りはもちろん、名産のチーズやパスタなども盛り沢山!
石畳を歩けばトゥルッリの建ち並ぶ景観に緑や赤の植物が彩りを加え、街の魅力を一層引き立てています。
よく見るとひとつひとつの屋根には色々な図柄が描かれており、先祖から受け継がれている祈りや伝統、風習を窺い知ることもでき、どこを撮ってもフォトジェニック。
ローマやフィレンツェなどの都市部とは異なる魔法のような世界に、誰もがほっこり、心癒されることでしょう。

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