ハワイ・ラナイ島に行ったら何をする?おすすめ観光名所・グルメ

Lanai Island

ハワイ諸島の中心に位置する小さな島、ラナイ島は、何度も繰り返しハワイを訪れたハワイ通が最後に選ぶ島と言われています。
他島と比べると乾燥した気候で晴天が多く、年間の降水量はわずか900ミリ程度。土地の湿度を守るため、舗装されている道路は島内に50㎞足らず、ノーフォークの松の木があちらこちらに植えられています。
1800年代にはカメハメハ大王の避暑地となり、その後は開拓、買収などが進み、世界のパイナップルの約2割を生産する「パイナップルアイランド」としても名を馳せたラナイ島。
2012年6月にはオラクルの創業者、ラリー・エリソン氏が島のほぼ全権を買い取ったことでも話題になりました。
現在はフォーシーズンズホテルが2カ所にあるリゾートアイランドへと変貌を遂げながら、手付かずの自然がそのまま残され、静かな時間を求めて世界中から観光客が訪れています。
そんな誰もが憧れるラナイ島には様々な魅力が広がっていますので、みどころをご紹介します。

目次

“タウンのようなシティ”かつてのパイナップルの楽園 ラナイ・シティ

ラナイ島は人口約3000人、信号もないとても小さな島です。
その島の中央部、標高490mの場所に島で唯一の町、ラナイシティがあります。
辿り着いたときはあまりの素朴な光景に「これがシティ?」と思わず2度見してしまうほど。
ここは、島を買収したドール社がパイナップル農園で働く労働者のために開発されました。
町の中心にはパインツリーが天高く茂るドールパークがあり、それを取り囲むようにギフトショップやレストラン、ギャラリー、ランドリーなどがあります。住民は、フィリピン系や日系人、中国系などの移民の子孫が多く、パイナップル産業で栄えた当時の名残を島の各所で目にすることができます。
道路は縦横に規則正しく並び、フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ・ザ・ロッジ・アット・コエレも、ここラナイシティにあります。

パイナップルが茂るこれぞ”セントラルラナイ” ドールパーク

日本でも長きに渡ってバナナやパイナップル、その他の果物を取り扱う会社として名を馳せるドール。
そのドール社のジム・ドール氏が、ラナイ島を世界最大のパイナップル農場にするため、1922年に当時牧場を経営していた所有者ボールドウィン一族から110万ドルという安さでラナイを買い取りました。
その後、島の6分の1をパイナップル畑として開墾し、その生産量はかつて世界の約20%をしめ、発展しました。
しかしその後、東南アジア産の安いパイナップルの市場進出におされ、1992年畑は閉鎖します。その名残が公園となり、ヤシの木よりも遥かに高いパインツリーが植えられ、真っすぐと建ち並ぶ姿がどこか幻想的です。
ここでは毎年パイナップルの歴史や文化を祝うフェスティバルも行われ、ロコフードやハワイ工芸、ゲーム、ライブなどが楽しめます。

クレイジーだけどスペシャルな心意気が光る ハレ・ケアカ

島中央にあるラナイシティの中に、ラナイで唯一の映画館があります。
ここは、1926年開業の歴史ある映画館、ラナイシアターの生まれ変わりです。
ラナイシアターは1990年代に閉館し、手付かずの状態で残されていましたが、2012年、ラナイを買い取ったオラクルの創業者のラリー・エリソン氏が島の人たちの幸せを願い、島の産業への投資とともに、この映画館に多額の資金を投じました。
たった93席の小さな映画館には、革張りのシートにアメリカ本土でもめったに見られない最新鋭の音響システムが導入され、”クレイジーだけど最高”な「ラリーの映画館」として、人々に親しまれています。
歴史を感じさせる素朴で可愛らしい造りはそのままに、館内の2つのシアターには子ども向けが1本、大人向けが1本毎週新しい映画が上映され、娯楽を楽しむ人で賑わっています。
リゾート滞在の合間に、モダンに生まれ変わった映画館を訪れれば、現地の風土と作品がまた違った味わいに感じられることでしょう。

古き良き風情漂う大切な歴史ある教会 カ ラナキラ オ カ マラマラマ教会

この教会は、人里離れたケオームクの集落にポツンと佇んでいます。
マウナレイからケオームクに至る沿岸部にはかつて漁村があり、西欧文明との接触後の1899年にはマウナレイ砂糖会社が設立され、サトウキビ農園が開墾されました。その後1年と経たないうちに集落には人が集まり、1000人ほどが暮らす島の中心として栄えましたが、水不足や財政難に直面し、工場は閉鎖してしまいます。
そのかつての栄華を唯一現代に伝えているのがこの教会。
20世紀初頭には土地もろとも放棄されていましたが、人々の手で再建され、現在は定期的に礼拝が行われるまでに復活を遂げています。
ヤシの木と空に映え、赤土に佇む趣ある光景に、サトウキビを積んで走ったかつての鉄道の勇姿も甦ってくるようです。

伝説が残る神々の庭 ケアヒアカヴェロ

ラナイ・シティから約45分の北西部、ポリフア・ロードの終点にあるケアヒアカヴェロには、大小の石が無造作に転がる赤褐色の大地が広がっています。
この地には、ラナイ島とモロカイ島のカフナ(神官)の間で行われた、火を燃やし続けるという争いの結果、この不毛な景観が生まれたという伝説が残されています。
数世紀にも渡り侵食し形成された赤茶色の岩だらけの荒野は、夕暮れになるとオレンジ色の太陽に染まり、静粛に満ちてとても神秘的。
神が宿ったかのような美しい光景に、いつしかここは「神々の庭園(ガーデン・オブ・ザ・ゴッド)」と呼ばれるようになりました。
石は無数に転がっていますが、動かしたり重ねたりすることは禁止(カプ)されていますので、注意してください。

秘境感漂う穴場ビーチ ポリフア・ビーチ

ポリフア ビーチはラナイシティから約10㎞離れ、神々の庭園から西へ30分ほど行ったところにある穴場的なビーチです。
ここは波が荒く潮の流れも速いため遊泳には向いていませんが、アオウミガメ(ホヌ)が頻繁に訪れることで知られ、冬にはザトウクジラも姿を見せることがあります。
およそ3㎞にも伸びるビーチからは、海の向こうにモロカイ島が見え、地元の人が「美しい場所」というのにも頷けます。
ビーチは崖に囲まれた場所にあるので、アクセスするにはマウンテンバイクや四輪駆動車で行く必要がありますが、誰もいない秘境感が味わえる極上のビーチとなっていますので、時間を作って脚を伸ばしてみてください。

ハート形の岩に残る悲恋の物語 プウ・ペヘ

ラナイの南岸には美しいフロポエ湾と、主要なボートハーバーであるマネレ湾があり、その間に島のシンボルとなるプウ・ペヘ(スイートハート・ロック)があります。
海に突き出すように伸びた岩の先にはよく見るとハートの形をした岩が離れて立ち、この岩にはハワイの伝説が語り継がれています。
ラナイの若き戦士マカケハウは、マウイ島ラハイナの美しい少女ペヘに魅せられ、ある日ほかの男達の目に触れないよう、マネレの崖の下にある海食洞に彼女を隠しました。
しかししばらくすると島は嵐にさらされ、プウ・ペヘは大波に飲まれてしまい、マカケハウが見つけたときにはすでに息絶えており、悲しみにくれたマカケハウは彼女の亡き骸をこの岩の上に埋め、そのまま海へと身を投げたと言われています。
そんな伝説が残るプウ・ペヘには、太陽に照らされた美しい絶景が広がります。
青い空と深い海に守られるかのようにロマンチックな光景を、ぜひ味わってみてください。

輝く全米のベストビーチ フロポエ・ビーチ

ラナイ島南部沿岸のフロポエ湾には、太陽に照らされてキラキラと白く輝く砂浜と、青く澄んだマリンブルーの海が広がっています。
このビーチは自然保護区域に指定されており、年間を通して穏やかな海にはハシナガイルカがやって来たり、冬にはザトウクジラを目にする事もあります。
沖はハワイ有数のシュノーケリングスポットになっており、1997年には”ビーチ博士”ことスティーブン・レザーマン博士から、全米ベスト・ビーチにも選ばれた経歴を持っています。
このフロポエ・ビーチを見下ろすように佇むのが、フォーシーズンズ リゾート ラナイ アット マネレベイ。美しい庭園に囲まれた究極のリゾートは、世界中の旅行者を魅了してやみません。
一般に開放されているフロポエ・ビーチ・パークにはピクニック・テーブルやバーベキュー用のグリル、トイレ、シャワーの設備も整っており、マリンスポーツだけでなく、家族で楽しむのにもぴったりな過ごしやすいビーチとなっています。

大王が過ごした面影が色濃く残る カウノル村

ラナイ島の最南端にある歴史ある漁村集落跡、カウノル村は「古の漁村」とも呼ばれています。
現在人は住んでおらず、古来のハワイを色濃く残す遺構の一つとして、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されています。
1790年代ここはカメハメハ1世のお気に入りの釣り場であり、戦いの後の静養の場でもありました。
荒野にはハワイの聖なる寺院ヘイアウや”大王が夕陽を眺めた椅子”と言われる大きな岩や岩絵などがあり、険しい崖や豊かな自然が楽しめます。4DWの車で苦労しながら悪路を進み、迷いながらやっと辿り着くような場所ですが、ここを訪れれば人とは違った体験をすること請負いです。

手の込んだ味染みソースがポイント!ハワイの定番 ロコモコ

小さなお子様からお年寄りまで、日本人も大好きなロコモコ。
ハンバーグととろとろの目玉焼き、お店独自のグレイビーソースがご飯にかかり、気が付いたら1杯ペロリ!なんてことも。
それもそのはず、この料理はスポーツクラブに通うハワイの若者が、”サンドイッチとは違う安くて直ぐに食べられるメニュー”をリクエストしたことから始まったお手軽フードです。
この料理を最初に注文した若者はスポーツで大胆なプレーをすることから、クレイジーな奴”ロコ”と呼ばれ、ハワイ語で混ぜるの意味を持つ”モコ”と合わせてロコモコが誕生しました。
シンプルな料理だからこそ、決め手となるのはソース。肉の旨味と野菜の甘み、煮込まれた深い味が風味を増して、ソースだけでも十分にご飯が進みます。
ご飯がフライドライスになっていたり、フレッシュな野菜がのっていたりと、お店によってアレンジも様々ですので、地元のランチにぜひ試してみてください。

極上のブレックファースト エッグベネディクト

ロコモコがお手軽ランチなら、こちらは朝食にピッタリの人気の定番料理です。
軽くトーストしたイングリッシュ・マフィンの上にハムやベーコン、ポーチドエッグがぽっこりとのせられ、黄色いオランデーズソースがちょっとしたフレンチのようにお洒落。
カリッとしたマフィンの生地に塩気の効いたベーコンはそれだけでも美味しいですが、ととろとろの黄身が崩れてコクのあるソースがよく絡み、贅沢な朝を演出してくれます。
ハムの代わりにサーモンやエビ、コンビーフなどがのせられていたり、アボカドやトマトが加えられたり、ソースがアレンジされていたりと、好みが選べたり、一つのプレートでも様々な楽しみが重なって、穏やかな一日の始まりがゆっくり味わえるのも魅力です。
崩れやすく食べるのが少し難しい料理ですが、思い切って真ん中からナイフを入れて、味わってみてください。

ほのかな小麦の甘みが光る パンケーキ

厚みのあるふわふわのスフレだったり、しっかりとした固めの生地だったり、日本でも人気のパンケーキ。
トッピングにはトロピカルなフルーツやホイップクリーム、クリーミーなマカデミアナッツソース、バターにメープルシロップなど、さまざまな種類がありますが、なんといっても生地の優しい風味にはそのお店ごとに、新たな発見があるかもしれません。
美しい海と豊かな自然に包まれたラナイ島で食べるパンケーキは格別で、シンプルなものでもSNS映えすること間違いなしです。
一人では食べきれないくらいボリューム満点のものもありますので、友人やご家族でシェアして、ぜひ楽しんでみてください。

ハワイ・ラナイ島の観光スポットを楽しもう

島の多くの部分をパイナップル農園として開墾してきたラナイ島。
この島を買収したラリー・エリソン氏は、「持続可能な開発モデルとして再生していきたい」として、2つのフォーシーズンズリゾートのリニューアルに着手し、海水を淡水化して有機農業を始めるなど、産業を豊かにするための研究開発にまで携わっています。
島には至る所に自然の織り成す絶景が広がり、プランテーション時代や太古のハワイを感じられるスポットも数多く残っています。
誰もが憧れる美しいリゾートアイランドは変化に富み、この静けさと豊かな自然を求めて、アメリカ本土やハワイの他の島から移り住んできた人も少なくありません。
ハワイ通の方はもちろん初めての方も、ハワイ旅行のハイライトに、都会の喧噪から離れ、穏やかな時間を過ごしてみませんか?

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