台湾・台南に行ったら何をする?おすすめ観光名所・グルメ

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台南は、17世紀にオランダが統治の拠点として開いた街で、台湾の中では最も歴史が古く、かつては台湾の首都としても栄えていました。
街には古都ならではの古い廟や無数の寺院、建物などが数多く残り、至るところで歴史の名残を感じることができます。
また、日本が統治していた時代もあり、ノスタルジックな雰囲気と、中国の文化も混ざり合い、その絶妙なバランスが訪れる人を惹きつけています。
近年はハイテク産業都市としても注目され、美食の街としても名高い台南。
見逃せない観光スポットや料理がたくさんありますので、厳選してご紹介します。

目次

移り変わる長い歴史を見つめてきた史跡 赤嵌楼

1653年に築城された赤嵌楼は、台南で最も歴史の長い史跡で、現在は文化部により、台湾の国家一級古跡に指定されています。
当時の台湾はオランダの統治下にあり、厳しい統治方式に不満を募らせていた漢人が郭懷一事件を起こし、その悲惨な教訓から、オランダ人によってこの城が建てられました。
当初は普羅民遮城(プロヴィンティア)と称され、赤レンガで頑丈な稜堡が造られ、安平古堡と向き合う形で、政治の中枢を担う役割をしていました。
後に鄭成功が台湾を占拠すると東都承天府と改められ、台湾全島の最高行政機関となりますが、清朝の時代に入ると、反乱や地震、台風などの被害により、赤嵌樓の城部分は全壊してしまいます。
現在は残された基礎の上に建設された「海神廟」と「文昌閣」、西北側にある「蓬壺書院」を見ることができ、細部にまで施された装飾には、中国の楼閣建築の雰囲気が漂っています。
赤嵌楼のすぐ前には石亀駄碑が並び、鄭成功と家臣の像や休憩所、庭園も豊かに整備され、激動の歴史を残しつつ、ライトアップも美しい優雅な観光スポットとなっています。

朽ちかけた壁が台湾の歴史の始まりを物語る 安平古堡

1624年に建設された台湾で最も古い城堡です。
建城当時はゼーランディアと名付けられ、オランダ東インド会社による台湾統治の中心地として、また鄭氏政権時代には3代にわたり王城として使用されていました。
その後、清朝がイギリスとフランスの連合国に負けると一時廃墟と化しますが、日本統治によって「オランダ城」と呼ばれるようになり、台湾光復後は「安平古堡」と改称され、現在は「台湾城残蹟」として国家一級古蹟に指定されています。
敷地内の内城北と外城南には、城壁として造られたレンガの壁が残されており、ガジュマルの枝がからみつき、色あせて朽ちかけた姿に、長く深い歴史を肌で感じることができます。
また、日本統治時代の税務司公館を利用して作られた熱蘭遮城博物館や、安平古堡古蹟記念館もあり、当時の武器や史料などが展示されています。
シンボルになっているかつての監視塔には展望台が設置され、最上階からは半円堡遺跡や安平の街が一望できるようになっています。
所々に残る史跡を眺めながら、激動の時代と年月の移り変わりに想いを馳せてみてください。

古き良き台南の雰囲気が漂う儒学の学び舎 孔子廟

儒教の創始者である孔子を祀る孔子廟は、台湾の中にもいくつかあります。
その中でも台南の孔子廟は最も古く、1665年に鄭成功の息子である鄭経によって建てられました。
敷地の東側が学校のような役割の「国学」、西側が孔子や儒者を祀る「文廟」となっており、建物は何度も修繕、増築が繰り返され、現在に至っています。
国学にある東大成坊は台湾の学問の発祥地で、最高の学府であることを示す「全臺首學」という大きな扁額が飾られています。
また、かつての学び舎であった明倫堂の中には、校則のようなことが書かれた「臥碑」と呼ばれる石碑と、孔子廟を建てるときにつくられた建築図の石碑が残されており、壁には「忠孝節義」の文字が一文字ずつ書かれ、”目上の人や親を敬い、人として正しい道を行く”という儒教の教えに、台湾の純朴な人たちの姿が読み取れるかのようです。
文廟の敷地には門をくぐると大成殿があり、中央に孔子が祀られ、歴代元首の扁額が掛けられています。
遥か昔の孔子の教えが今も生き続け、沢山の人がお参りをするこの孔子廟に、ぜひ訪れてみて下さい。

昼と夜で異なる顔を見せるローカルスポット 神農老街

台南には、清朝時代に築かれた「老街(ラオチェ)」という古い通りがいくつも残されており、近年ではその趣きある老街を再開発する動きが加速しています。
その昔、神農街は「北勢街」と呼ばれ、現在は路地となっているエリアには5本の主要運河が流れ、商業の盛んな場所に位置していました。
まるで古民家のような木造の家は、当時は1階が店舗、2階が倉庫として利用され、間口が狭く奥に長い「町屋造り」のようになっているのが特徴です。
現在は300mほどの路地にリノベーションされたレトロなカフェや雑貨店が多く建ち並び、夜にはあたたかみのある灯篭が灯ってノスタルジックな雰囲気が漂います。
どことなく懐かしさを残す神農老街ですが、日本統治時代に建設された比較的新しい建物も混在しており、ストリートアートなど写真映え間違いなしのアートの街としても注目を集めていますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

歴史と未来を紡ぐクリエイティブな百貨店 林百貨

林百貨は山口県出身の経営者、林方一氏により、1932年12月5日、日本統治時代の「銀座通り」末広町2丁目に創立されました。
建物は鉄筋コンクリート造の6階建てで、1-4階は売場、5階にレストラン、屋上階6階に機械室と展望台を備え、屋上庭園には神社もありました。
建築技術も材料も当時最先端のものが採用されたビルは、台北市栄町の菊元百貨店と並んで「南北二大百貨ビル」ともいわれ、盛況を得ましたが、その後、戦争や時の流れで1980年代からは空きビルと化していました。
それから時を経て1998年6月26日、林百貨は台南市により市定古跡に認定され、転機を迎えます。
2010年からは修復が始まり、米軍によって爆撃された跡や神社をそのまま残し、階ごとに指針が動くエレベーターや木枠の窓など、創業当時の姿が再現され、2014年6月には文化クリエイティブ販売施設「林百貨」として生まれ変わりをみせました。
新しいスタイルの百貨店には磨きがかかり、お洒落で粋な店舗ばかりが入っていますので、買い物やランチに、是非訪れてみてください。色褪せることのないレトロでモダンな雰囲気に、誰もが魅了されるはずです。

ちょっと貴重な曜日限定の夜市 花園夜市

台湾旅行に行ったからには一度は楽しんでみたい夜市。
毎日夜な夜な台湾の各地で開催されていますが、台南の夜市は毎日同じ場所では行われず、各曜日ごとに開催場所が異なる”流動夜市”が主流となっていますので、注意が必要です。
特に有名な夜市は3つあり、月・火・金の「大東夜市」と水・土の「武聖夜市」、木・土・日の「花園夜市」。
中でも花園夜市は台南最大の夜市で、海安路三段と和緯路三段の大きな交差点のエリアに沢山の屋台が終結し、活気にやみません。
半分は食べ物のエリアになっており、美味しいローカルグルメが激戦を繰り広げ、あとの半分は洋服や雑貨のお店とゲームのエリア。
数え切れないほどのお店が会場を埋め尽くし、地元の人々や観光客が押し寄せます。
牛肉湯や臭豆腐、熱帯のフルーツを気軽に味わい、日本では見たこともないようなゲームで遊んだり、賑わう屋台の雰囲気を味わうだけでも大興奮のナイトライフが味わえますよ。
曜日が合わない人は、大東夜市と武聖夜市で、活気に溢れる夜を楽しんでみてください。

文芸と歴史情緒が色濃く漂う 国立台湾文学館

国立台湾文学館は中台湾近代文学の史料を収集、整理、展示、所蔵するために創設された台湾で最初の国家級文学館です。
もともと台南市政府として使われていた建物は、台北市の総統府の建築でも知られる森山松之助さんのデザインで、マンサード様式の屋根とレンガの壁、入り口の大きな円柱が美しく、クラシックな雰囲気が漂っています。
館内に入ると天井の高い空間が広がり、「舊建築 新生命」の常設展示室では、アーチ型に積まれたレンガの基礎部分と通気口が建設当時のまま保存展示されています。
所蔵されている台湾文学書は数多く、13歳以上が入館できる図書館や子供向けの児童書房、特別展などもあり、穏やかな静けさの中で時を過ごし、思い思いに文学や建物に触れることができます。
重厚感のある建物は内装も外装も美しく、夜はライトアップが施され、フォトジェニックな街のランドマークになっていますので、周辺の散策がてらぜひ訪れてみてください。

少年に芽生えた夢を叶えた台湾屈指の博物館 奇美博物館

奇美博物館は、電子部品や食品メーカーなどを傘下に持つ「奇美実業」の創業者、許文龍氏が1992年に開設しました。
緑あふれる広大な敷地にまるで白亜の宮殿のような優雅な建物は、台湾に来ていることを忘れてしまうような佇まいです。
館内は2階建てで、西洋絵画、彫刻、楽器、兵器、動物の標本など、多種多様なコレクションを所有し、そのうちの3分の1、約4000点が展示されています。
彫刻や絵画などの美術品はもちろんのこと、動物ホールには象やキリンをはじめとする世界中の動物たちが、音楽ホールではストディヴァリウスなど名だたるコレクションが並び、兵器ホールでは、狩猟のための武器から日本刀や兜、戦争のための武器など、平和を願うからこそ様々な兵器が、この博物館に展示されています。
入場改札から先は撮影禁止となっていますが、天窓の明るい陽ざしが温かい博物館はとても広く、魅力的な展示、仕掛けが満載です。
子どもからお年寄りまで幅広い年齢の人が楽しめる博物館となっていますので、ぜひスケジュールを組んで、文化の真髄に触れてみてください。

廃墟と自然が織りなす遺産 安平樹屋

元々、イギリス商社の倉庫として建てられたレンガ造りの建物。
日本統治時代や台湾総塩工場を経て、廃墟と化したその建物に一本のガジュマルの木が浸食を始め、やがて建物を飲み込むように絡みついて一体化し、植物の生命力と迫力に満ちた樹屋となりました。
樹屋は2000年頃から三期にわけて整備が行われ、貿易にまつわる展示や、見学ルートに木桟道がつくられ、2階からは網目の様に張り巡る枝や幹を真近で見ることができます。
ガジュマルが長い年月をかけて建物に沿うように成長し、うっそうと茂る姿はパワーにみなぎり、人々の営みと自然から生まれた遺産。
敷地内には書道で有名な「朱玖瑩の旧居」や商社となっていた「徳記洋行」、カフェやお土産店もあり、観光地の格付けガイドとして有名なミシュラングリーンガイドにおいても2つ星を獲得した経歴を持っています。

古い長屋を青の世界にリノベーション 藍晒圖文創園區

藍晒圖文創園區は新光三越新天地デパートの目の前に位置し、以前は司法関係の人々が暮らし、「第一司法新村」と呼ばれていました。
その宿舎がリノベートされ、2015年、アートやショッピング、カフェが楽しめる新しい観光スポットとなり、訪れる人で賑わいをみせています。
「藍晒圖」はブルーペイントの意味で、ブループリントカルチャー&クリエイティブパークとも呼ばれ、正面入口横には台南を拠点に活動する建築士、劉國滄氏が手がけた3Dアートハウスがあり、青く塗られて光る、人気のフォトスポットとなっています。
また、建物の二階にあがると 「虹樓夢」という芸術作品もあり、楼閣のようで美しく、古いものを生かしたお洒落な作品に生まれ変わっています。 
園内にあるクリエイターズグッズの店は、どれも特色があり、写真を撮ったり、カフェでゆっくりしたり、アートな時間を楽しんでみてください。

自然が作り出した緑のトンネル 四草緑色隊道

四草は、台南の西、台湾で8番目に国家公園指定された「台江国家公園」内にあります。
かつてここは、「台江内海」と呼ばれていましたが、曾文溪が幾度も流路を変更したことにより、現在の潟湖の地形となりました。
そのため、他では見られない生態が見られ、秘境の静謐さを実感できるスポットとなっています。
マングローブの種類と数は台湾一の数を誇り、トンネルの様に続く景観はとても幻想的。
竹の筏で自然を満喫できる「ミニアマゾン川」のクルーズに、国内外から多くの観光客が訪れます。
静かな水面を進むと、揺れる木の葉の合間から陽の光が差し込み、そこら中から鳥や虫の鳴き声が聞こえ、清朝の時代には関税所だった「釐金局遺址」をUターンして折り返しすと、見える景色が変わり、豊かな自然と都市の共存を目の当たりにできることでしょう。

砂糖工場を利用した類を見ないアクティブスポット 十鼓文化村

十鼓文化村は、100年の歴史ある製糖工場をリノベーションしたユニークなスポットです。
台湾のドラムパフォーマンス集団「十鼓撃樂團」が運営しており、工場内ではドラムショーや太鼓レッスンが楽しめる他、太鼓の制作過程を見学できる施設もあります。
さらにここの魅力は、工場さながらの施設や機械をうまく取り入れ、なるべくそのままの形を残しつつ、芸術や文化で彩を加え、人々を楽しませている点にあります。
劇場の客席はガラス張りで機械を間近で見ることができ、蔵の壁を利用して作られたウォールクライミングや砂糖貯蔵タンクを改造したカフェやキッズプレイグラウンド、工場を上から見下ろす空中ブランコなど、驚きと興奮に溢れ、大人も子どもも夢中になって楽しめます。
インダストリアルなデザインは世界的にも評価が高く、幻想的な照明や考え抜かれた構造は、無機質な工場の魅力を最大限に引き出しています。
夜のライトアップも美しく、趣向を凝らしたアクティビティやエネルギッシュな太鼓パフォーマンスとリンクして、人々の心を打つ魅力的な工業遺産へと生まれ変わっています。

300年以上も燃え続ける神秘の岩 水火同源

水火同源は別名「水火洞」と呼ばれ、台湾7景の一つにもなっています。
自然の法則からすると、水と火は本来相容れないものですが、ここは泉の岩肌にある同じ穴から炎と水が噴き出しており、自然の不思議な光景が目の当たりにできる観光スポットです。
地下に水と天然ガスを含む帯水層があり、地質構造が特殊なため、圧力がかかって岩の割れ目から地上へ噴出し、その炎は永遠に消えることなく、燃え続けています。
岩の上には水と火の神として日本統治時代に祀られた不動明王が今もあり、人々が万物の源となる豊かな場所としてこの泉と共存してきたことが伺えます。
燃え上がる炎は数メートル離れたところからでも熱気を感じることができ、雨の日も風の日も消えることなく燃え続ける自然の神秘を肌で感じられるスポットとなっています。

台南で必食!!染み渡るとろとろ肉 牛肉湯(ニューロウタン)

牛肉湯は、生の牛肉を透き通ったスープに入れて食べる、シンプルな料理です。
牛肉はレアで、もちろん新鮮なものが選ばれ、産地から近く、毎日フレッシュなお肉を仕入れることができる台南ならではの逸品です。
時間をかけてじっくりと煮込んだスープはアツアツでほのかな甘みを感じ、漢方と牛骨の旨味が滲み出てからだの芯まで染み渡ります。
ピンク色になった牛肉はフレッシュで柔らかく、絶妙なレア感。生姜の千切りや豆板醤のソースにつけて食べてもピリ辛で食欲がそそられます。
生姜はスープに入れても旨味が引き立ち、食感がアクセントにもなって、口の中でシャキシャキと風味が広がります。
あっさりとしてヘルシーなので、台南の人はこの牛肉湯を朝ごはんとしてよく食べ、ちょっぴり贅沢な伝統料理となっています。

鼻を疑う強烈な臭いに挑戦! 臭豆腐

臭豆腐は、何メートル先からも分かるほど、強烈な異臭を放つ発酵食品。
食感も独特で好き嫌いが大きく分かれる食べ物ですが、 台湾の人たちは、「こんなに美味しい食べ物はない!!」と絶賛しているほど、ポピュラーで人気の料理です。
タケノコや冬瓜、台湾にしかない野菜類を発酵させた発酵液と灰汁に豆腐を漬け、意図的に風味を付けて味わいます。
豆腐の表面の植物性タンパク質がアミノ酸に変化し、独特の風味と強烈な匂いを発しますが、アミノ酸は旨みのもと。
料理の仕方によって色々な種類があり、生の臭豆腐はねっとりと臭みも強く食べづらいものの、フライや炒め物、スープなど、抵抗を緩和している料理もたくさんあります。
百聞は一見に如かず、旅の思い出に、ぜひチャレンジしてみてください。

ヘルシーで優しい台湾スイーツ 豆花

ぷるっと柔らかく優しい味わいで日本でも人気の豆花は、台湾でも小吃として愛されている定番のスイーツです。
豆乳から作られるヘルシーなスイーツで、ほんのりとした甘みがあり、トッピングや味付けも豊富。
豆花そのものにマンゴー味、イチゴ味、チョコ味などがついて甘いものもあれば、プレーンの豆花にタピオカや小豆、白玉やハト麦などを加えてぜんざいの様に楽しむパターンも主流です。
また、冷たいものだけではなく温かくした熱豆花もあり、ゴマや生姜のスープで一年を通して色々な味が楽しめます。
可愛らしい名前の由来は、器に盛る時に交互に重ね入れ、それが蕾のように見えることから名づけられたと言われています。
定番は黒蜜味。後味もさっぱりとしているので、食事やお酒を楽しんだ後のお口直しにも最適です。

台湾・台南の観光スポットを楽しもう

歴史と文化がほどよくミックスされ、豊かな魅力を放つ台南。
「台湾の京都」とも称され、重要な文化財や史跡が至る所に点在しています。
風情溢れる街では、大通りから一本入るとアーティスティックな空間が広がり、懐かしさと新しさが豊かな彩りをみせています。
また、美食の街としても名高く、独自に発展してきた台南のグルメは、他の地域にはない魅力をたっぷりと秘めています。
レトロで純朴な街、台南は、台北からも日帰り可能で、旅慣れた人にも人気の魅力的な観光地となっていますので、ぜひ一度、訪れてみてください。

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