ペルー共和国の首都リマには、世界遺産に登録されている旧市街と、お洒落で近代的な街並みが広がる新市街があります。
ペルー観光のハイライトといえばマチュピチュですが、首都リマにもたくさんの観光名所があります。スペインを中心としたヨーロッパの文化と、インカ帝国の名残が混在しており、歴史的にも非常に興味深い土地であるリマでは時空を超えた歴史の旅を楽しむことができます。
今回は、こんなリマの観光名所をご紹介いたします。
目次
- リマの街発展の中心となった場所 アルマス広場(旧マヨール広場)
- 無数の遺骨が埋葬される地下墓地があるサン・フランシスコ教会
- 考古学のコレクションが充実している天野プレンコロンビアン織物博物館
- リマ文明の建築技術の高さが分かる ワカ・プクヤーナ遺跡
- ペルー最古のカテドラルとして有名なリマ大聖堂
- ギネスにも登録されている噴水があるレゼルバ公園
- コロニアル建築が印象的なトーレ・タグレ宮殿
- ペルー独立の立役者を讃えたサン・マルティン広場
- 現在は博物館になっているサント・ドミンゴ教会
- ペルー共和国・リマの観光スポットを楽しもう
リマの街発展の中心となった場所 アルマス広場(旧マヨール広場)
スペインからペルーに上陸し支配したフランシスコ・ピサロは1535年にペルー内陸の街ハウハからリマに首都を移し、アルマス広場を中心に街づくりを進めてきました。
クスコにもアルマス広場という名前の広場がありますので混同しないように注意してください。
1997年に一度「マヨール広場」と改名されたものの、2003年には再び「アルマス広場」に名前が戻りました。
広場を囲むようにスペインのイベリア様式の建物が建っていて、スペインの街並みを彷彿とさせるエリアです。
現在も旧市街の中心地であり、リマ旧市街を観光する際のスタート地点や集合場所などとして観光客が多く立ち寄る場所です。
無数の遺骨が埋葬される地下墓地があるサン・フランシスコ教会
バロック様式とアンダルシア風の建築がミックスされた美しい教会、サン・フランシスコ教会は1546年から、なんと100年もの歳月をかけて完成させられた教会です。見事な彫刻がほどこされたファザード(正面装飾)は圧巻で、是非写真に収めたい見どころです。
メインの教会の他に15のチャペル、修道院、博物館などがありますが、ここで有名なのがカタコンベという地下墓地です。
植民地時代の一般市民の墓地として使われていたカタコンベには無数の遺骨が埋葬されており、異様な空間が広がっています。
考古学のコレクションが充実している天野プレンコロンビアン織物博物館
1964年に「天野博物館」としてオープンした博物館で、2015年に「天野プレンコロンビアン織物博物館」と改名されリニューアルオープンしました。
秋田出身の実業家、天野芳太郎が集めたペルー文化の考古学の貴重な資料が展示されています。中でも注目を集めているのが、改名後の博物館名にも取り込まれた織物のコレクションです。ペルー古来のチャンカイ文化の織物が多数展示されており、歴史的に非常に価値が高いと評されています。
織物だけでなく、焼き物や他の考古学資料の展示も充実しており、世界中の考古学者や考古学マニアが足を運ぶ人気スポットです。
リマ文明の建築技術の高さが分かる ワカ・プクヤーナ遺跡
ワカ・プクヤーナ遺跡は、先住民族の言葉で「試合用の場所」という意味で、集会や儀式のために建てられたとされる南米の古代ピラミッドです。
「アドベ」という日干しレンガを、斜めに微妙に角度を変えて調整しながら積み重ねて造り上げたピラミッドは優れた耐震構造を持っており、地震の多いペルーでも現在まで崩壊することなくその姿をとどめています。
先住民族の高い技術力が窺い知れるスポットです。
ペルー最古のカテドラルとして有名なリマ大聖堂
征服者フランシスコ・ピサロが自らの手で礎石を置いたとされ、ペルー最古のカテドラルとして知られるのがリマ大聖堂です。
ピサロの遺体が安置されている大聖堂でもあり、内部には豪華な祭壇画16個もあり、美しい装飾がなされています。
14世紀の貴重な宗教画や、インカ帝国の歴代皇帝の肖像画も飾られています。
外観も内観も一見の価値のある美しさですので、リマを訪れたら是非立ち寄りたいカテドラルです。
ギネスにも登録されている噴水があるレゼルバ公園
リマ旧市街を南下したところにあるレゼルバ公園には、リマの名物でもある噴水があります。
8ヘクタールもの巨大な公園内には13個の噴水があり、どの噴水もスケールが大きく迫力のあるパフォーマンスが見られます。
公園内の噴水としては世界最大規模のものとしてギネスにも登録されており、観光客だけでなく地元の人々からも人気を集めています。
夜になると音と光の噴水ショーが開催され、幻想的でロマンティックな水の芸術を楽しむことができます。
コロニアル建築が印象的なトーレ・タグレ宮殿
ペルー独立の立役者であるサン・マルティンが、トーレ・タグレ公爵のために建てさせたというトーレ・タグレ宮殿は、ペルーではめずらしいコロニアル建築です。
トーレ・タグレ公爵はスペイン系の貴族で、スペインによる植民地時代からペルー独立までの激動の時代を生きました。
木製のバルコニーが美しく、とても印象的です。
現在は外務省の本館として使われていて、土日祝日のみパティオの見学が可能となっています。
ペルー独立の立役者を讃えたサン・マルティン広場
マヨール広場から500mほど離れているところにはサン・マルティン広場というもうひとつの広場があります。
マヨール広場が、ペルーを征服したピサロが作った広場であるのに対し、サン・マルティン広場は、ペルー独立に大きな功績を残したサン・マルティンを讃えて彼の像が広場の中心に建てられています。
広々とした広場にはベンチが置かれていて、リマの人々の憩いの場となっています。
周辺にはレストランやホテルが建ちならんでおり、観光客が休憩するスポットとしても役立っています。
現在は博物館になっているサント・ドミンゴ教会
サント・ドミンゴ教会は、スペインによる植民地時代に建てられた教会の中でも非常に保存状態の良い教会で、現在は博物館となっています。
ペルーは過去に何度も大地震の被害に遭ってきましたが、その中でもこの教会は大きな被害を受けることなく、現在まで当時の姿をほとんど変えずに残りました。1549年の建設時から500年近く外観を留めている貴重な教会で、内観にはスペインのセビリアから持ってきた青タイルが使われており、とても美しいです。
植民地時代に活躍したサンタ・ロサとフライ・マルティンという2人の聖女が眠っている教会としても知られています。
ペルー共和国・リマの観光スポットを楽しもう
ペルーの首都リマには、新市街と旧市街がありますが、旧市街にはスペインの植民地時代に建てられた教会が多数あり、それぞれの教会で美しい彫刻や装飾が楽しめます。
また、スペインの建築様式で建てられた建物が立ち並んでいるため、ヨーロッパの街を歩いているような気分を味わえます。
新市街には近代的な建物が立ち並ぶ中、ペルーの古代遺跡などもあり、見どころが満載です。ペルーの地に暮らした先住民族の技術の高さを感じ、古代のロマンに想いを馳せてみるのも一興です。
1日では周りきれないぐらい見どころの観光名所が充実しているリマの街を観光する際には、計画的にスケジュールを立てて時間に余裕をもって周りましょう。